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物流のあるべき未来像
フィジカルインターネット
営業本部 物流統括部
広域物流課 課長
冷凍食品流通企業のナックスにとって、物流は大きな生命線。営業本部 物流統括部 広域物流課の課長は、効率的な物流体制の構築・再編成に取り組んでいる。効率アップという命題の先に彼が見すえているのは、ナックスという一企業の枠組みに収まらない物流の未来像だった。

物流統括業務で重要なのは、現場を理解すること

自分の性格に合った仕事として倉庫関連の職に就きたいと考えるようになり、当時ナックスの子会社だった日本デリカ運輸を志望しました。ナックス籍で採用されて日本デリカ運輸に即出向となり、札幌センターで4年間勤めた後、ナックスの物流統括部に転属。物流センターの新規立ち上げや不採算センターの閉鎖、さらに物流再編などに携わり、現在は物流統括部広域物流課に所属しています。

入社前は物流業務に対する印象として「汚い・辛い」というネガティブなイメージがありましたが、実際はまったくそんなことはなく、むしろ冷凍食品を扱うので衛生面は特に厳しい環境でした。入社後に私が携わったのは、札幌センターでの商品発注業務。自ら発注した商品を自分で入出庫するという経験は、その後に携わる物流統括部での業務に必要とされる“現場への理解”を深める機会となり、振り返ってみると貴重なものであったと感じています。

ナックスでは物流業務を自社で行っておらず、外部の運送会社や倉庫会社に協力していただいていますが、現場のことを知らないと対等にやり取りできません。逆に、ちゃんと現場を理解していることが伝わればこちらの言うことにもしっかり耳を傾けてもらえるし、また相手の要望も理解しやすくなるので、交渉において大いに役立ちます。また、物流の効率化を阻害するボトルネックや改善すべきポイントを探すべく実際に現場に足を運ぶ時も、現場のことをしっかり理解していることによって、問題となっている個所を見極められるスキルが自ずと身についていたと思います。

協力会社と円滑にやり取りするためにもう1つ重要なのが、信頼関係です。日々の業務において、こちらが困った時に助けていただくこともあれば、逆に相手が困って相談してきた時にこちらが応えることもあります。そうした時に誠実な対応を心がけることによって、互いに信頼で結ばれた理想的な連携を取りやすくなります。

物流を改善し進化させるヒントは現場に隠れている

日々の業務で大きな達成感を得られるのは、物流再編において事前にシミュレーションで想定した効果が得られた瞬間です。常に良い方向へ変化させるためには、得意先や協力会社との何気ない会話や、あるいは営業が現場で聞いてきた話から知りえた情報の中で、変化や改善につながるヒントが隠れてないか考えることが重要です。

例えば、店舗ではトラックで運ばれてきた荷物をチェックし、ちゃんと届いたことを確認してから保管場所にしまうという業務があります。その担当者との会話で「ナックスだけでなく他社の車両に何度も対応するのが大変なんだよね」という意見を聞いたとき、どうしたら先方の負担を軽減できるか考えた結果、他社と共同配送できれば店舗に配送する車両台数を減らせるなという改善策に気づくことができました。

このように、現場で困っていることや悩みに応じることは、より高品質かつ効率的な物流への進化につながる大切な取り組み。さらにひいては、ナックスの事業拡大にもつながると信じて、日々改善を模索しています。そのためにも、常に各方面にアンテナを張り、いろんな情報に対して敏感であることが結果につながってきます。

競合他社との共同配送で、さらなる効率化と社会貢献を実現

現在私は福岡に駐在し、2年前にスタートしてからようやく安定稼働の段階まで漕ぎつけた大手小売業の新規業務受託事業において、安定稼働の先の課題である物流改善に取り組んでいます。

昨今は全国的なドライバー不足や原油価格の高騰などによる物流コストの高止まりが続いています。物流コストの圧迫が商品の販売価格のアップへとしわ寄せがおよばないようにするには、効率的な物流網の構築が必要不可欠。その施策として九州エリアで実際に取り組んでいるのが、同業他社との共同配送です。

他社を巻き込んだ物流再編はまだ前例の少ない取り組みではありますが、やはり自社だけで物流の効率化を実現するには限界があります。それにナックスだけでなく業界全体で物流の効率化を実現できれば、物流費などコスト面の改善効果を最大限に得られるだけでなく、車両から排出される温室効果ガスなどによる環境への負荷の低減にもつながり、社会貢献という意味でも大いに意義があります。今後うまく条件が合えば九州以外のエリアにも波及させたいと思います。

とはいえ、昨今の物流費の高止まりを効率化だけでカバーするにも限界があります。業界全体が抱える課題の抜本的な解決につながる、新しいシステムや施策を考えていくことも今後は必要でしょう。

効率性の根幹として意識すべきことは“安全性”

物流統括部の立場から考えられるナックスの社会的な責任。それは、設定された温度帯で商品を安全に各店舗にお届けすることです。冷凍食品は一度溶けてしまうと品質が劣化してしまうので、商品が常温にさらされる時間をいかに短くするかということに配慮しています。そうした配送の安全に対する高い意識が食の安全を支え、ひいては社会への貢献にもつながるものと考えています。

物流再編において最も追求されるのは効率性ですが、その根幹として安全性への意識を怠ってはなりません。安全を担保する配送の品質とコストのバランスを慎重に判断した上で、求められるポイントに応えながら最適な物流体制を築いていくべきと考えています。過去の事例として、ある得意先より冷凍センター運営から配送までの総合的な物流提案を求められた際、得意先の要望をすべて満たそうとすると許容範囲内のコストに収まらないという困難に直面しました。高品質な配送を実現するにはコストがかかるし、物流というのはいずれかを犠牲にして成り立つものではありません。そこで最終的には「求められる品質に必要なコスト」と「求められるコストで実現できる品質」を具体的に提示し、品質を損なわない最適解を見出すことで、複数の競合の中から当社の提案を採用していただくことに成功しました。

物流の観点からナックスが果たす社会的責任として、配送の効率化による環境への負荷低減を先ほど挙げましたが、今後はそうした貢献につながる方法としてEVトラック(電気自動車)への切り替えも検討したいと思っています。ただし、EVトラック自体がまだ世の中に出始めたばかりで、軽油トラックからEVトラックへシフトしていく動きを見定める必要があります。ナックスは配送を外部に発注する立場にあるので、この先EVトラックが普及していくようであれば、協力会社に対して「EVトラックの導入を検討しませんか?」と切り替えの選択肢として提案していこうと考えております。

さらに今後は物流のあるべき未来像として、フィジカルインターネット(輸送手段と倉庫のシェアリングによる稼働率向上と燃料消費量抑制によって、持続可能な社会の実現を目指す物流システム)の普及が予想されます。こうした業者の垣根を超えた物流システムに対応できるよう準備を整えるためにも、ただトラックで商品を運ぶだけではなく、現在九州で取り組んでいる同業他社との共同配送のように、物流を起点とした改善提案を継続的に発信していきたいと思います。

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